農業を始めた理由は、
自分たちの収益を上げるためだけではありませんでした。
実際に畑に立ち、地域と関わる中で、
もう一つの役割が、はっきりと見えてきます。
それが、
高齢化が進む地域農業を、どう支えていくか ということでした。
「作りたいけど、一人では無理やねん」
農地を探していた頃、
代表はあちこちで農家さんに直接声をかけて回っていました。
農業未経験の状態で農地を借りるのは、
正直、簡単なことではありません。
そんな中で出会ったのが、
「もう米をやめようと思っている」という高齢の農家さんでした。

話を聞くと、
作りたい気持ちはある。
でも、一人ではもう続けられない。
その言葉が、強く印象に残ったといいます。
借りられなくてもいい。「手伝わせてほしい」
一度は、
「やっぱり農地は貸せない」と言われました。
それでも代表は、こう伝えます。
「借りられなくてもいいです。
草刈りでも、何でもいいから、手伝わせてください」
無償でもいい。
まずは一緒にやりたい。
その姿勢が伝わったのか、
結果的に「半分だけなら貸してもいい」と話が変わりました。
しかし、その後まもなく、
その農家さんは亡くなります。
代表は振り返ります。
「一人では無理やと思ってたけど、
手伝う人がいるって分かったから、
もう一回やろうって思ってくれたんやと思う」
農地を借ることより、大事なこと
この経験から、
レファームの考え方は少しずつ変わっていきます。
「農地を増やすこと」よりも、
農業を続けたい人を、どう支えるか。
借りる・借りないではなく、
関わり方はいろいろあっていい。
そう考えるようになりました。
草刈りの請負から始まった関係
現在取り組んでいる草刈りの請負も、
その延長線上にあります。
夏場の草刈りは、
高齢の農家さんにとっては本当に大変な作業です。
そこに、
人手があり、継続して動ける就労支援の現場が入る。
「草刈りをお願いできて助かった」
そんな声が、少しずつ増えていきました。
収穫期だけ、手伝うという選択肢
農業は、
一年中ずっと忙しいわけではありません。
特に大変なのは、
収穫や出荷が重なる限られた時期です。
「その時期だけ、手伝えないか」
「調整や袋詰めをお願いできないか」
草刈りをきっかけに、
そんな相談も入るようになってきました。
必要なときに、必要な分だけ。
それも立派な農福連携だと、代表は考えています。
利用者と一緒に、現場へ出る意味
こうした作業には、
職員だけでなく、利用者も一緒に関わります。
同じ作業を続ける力。
丁寧に取り組む姿勢。
それは、農業の現場では
とても頼りにされる力でした。
「助けてもらっている」というより、
「一緒にやっている」。
その感覚が、
自然な関係をつくっていきました。
農福連携は、「続けたい」をつなぐ仕組み
レファームが取り組んできた農福連携は、
特別な制度や派手な仕組みではありません。
- 作りたいけど、一人では無理な人
- 働く場と収益を必要としている人
- その間に入って、動ける仕組み
それを、無理のない形でつなぐ。
インタビューの中で語られていたのは、
農業をやめさせないための関わり方でした。
この積み重ねが、
今のレファームの農福連携につながっています。
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